アルバム「Let It Be」でビートルズが何を喋ってるのか日本語訳まとめ

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ビートルズ解散前最後のアルバム

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クラス替え初日、壇上で自己紹介した男が「好きな言葉は『あるがままに』、英語で言うとレット・イット・ビーです!」と言ったので、おおビートルズ好きなのか、と親近感を持って声を掛けたら「1曲も知らん」と言い放たれて唖然とした思い出があります。

彼とはそれほど濃密な友情を築けなかったんですけど、それはともかく。

イギリスでは1970年5月、日本でも同年6月、ビートルズ解散前最後にリリースされたアルバム「レット・イット・ビー」

Let It Be
アーティスト:ビートルズ
収録曲数:14曲
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私が初めて買った洋楽のアルバムは「レット・イット・ビー」でした。

それまでにリリースされたビートルズのアルバムとは少々趣が異なる「レット・イット・ビー」。楽曲の最初や最後などに、メンバーたちが何やらアドリブ的に呟いたり、雑談している内容が消されることなく残り、そのままアルバムに収録されています。

ジョン・レノンが何やら冗談を言って、スタッフが笑っている音声も収録されてるのですが、ジョンは何を言って笑わせてるのかをスゴく知りたい。それが中学生の頃、英語を勉強する原動力になってました。

結局、受験英語と私の語学力程度では理解することができず、書籍やネット検索などの情報収集でようやく話の内容や意味が分かったんですけどね。

今回はそれらアドリブや雑談の内容をこのエントリーで紹介します。

アルバム「レット・イット・ビー」は映画のサントラ

アドリブ・雑談解説の前に、アルバム「レット・イット・ビー」について簡単な背景をまとめておきます。

ビートルズはデビューから解散までの期間、何本かの映画に主演してます

まず、1964年7月から劇場公開された最初の主演作品『ア・ハード・デイズ・ナイト』。邦題は『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』。全編モノクロ撮影によるコメディー作品で、監督はリチャード・レスター。後に『スーパーマン』を監督して大ブレイクした人です。

2作目は、1965年7月から劇場公開された『ヘルプ!』。邦題は『ヘルプ!4人はアイドル』。前作が大ヒットしたため2作目は制作費が潤沢になり、映像がモノクロからオールカラーに変わり、ビートルズのワガママを聞いて海外ロケも行きまくり。こちらもコメディーで、監督も同じくリチャード・レスター。

3作目は、1968年7月から劇場公開された『イエロー・サブマリン』。ビートルズの4人をファンタジーアニメとして描いた作品で、アニメキャラの声は本人たちでなく声優が担当しており、本人たちは最後に実写でチラッと出てきます。

4作目は劇場公開作品ではなく、イギリスBBCで1967年12月に放送されたテレビ映画『マジカル・ミステリー・ツアー』。監督・脚本・主演はビートルズが自分たちで担当。ただ、監督業など制作関連はポールがほとんど一人でやってたと証言されてます。

で、5作目として『レット・イット・ビー』という映画作品が、アルバムリリースと同時期(1970年5月)から劇場公開されています。しかし、『レット・イット・ビー』だけは現在DVDもブルーレイも存在しません。公式に商品化されてないんです。

YouTubeなどの動画サイトで検索すれば映画の一部がアップされてますが、おそらく昔に海賊版として出回っていたVHSから持ってきた映像です。公式なものとしては、現在『アンソロジー』の中で一部の映像だけ見ることが出来ます

レット・イット・ビーが撮影された「3つの場所」

アルバム「レット・イット・ビー」は、映画で使用された音源を中心に収録されてるのですが、フィル・スペクターというプロデューサーが元々の音源を大幅に加工し、再編集したものをアルバムとしてリリースしてます。

したがって映画の音源とアルバムの音源で全然違うぞ、ってのが複数存在します。このエントリーではその辺りも含めて解説していくつもりですが、本題に入る前に、まず映画が撮影された場所(=アルバム収録曲が録音された場所)として、3つあります。

1. トゥイッケナム撮影所

レコーディング・スタジオではなく、映画撮影スタジオ。ここに音響装置などを持ち込んでセッションする風景を撮影する、という主旨で1969年1月2日から開始。

しかし、常にカメラで監視された状態でのセッションによりビートルズの面々は不満を募らせ、雲行きの怪しかったメンバー間の関係が更に悪化する要因となります。

有名になったポールとジョージの口論シーンもトゥイッケナムで発生。撮影開始から約1週間後の1月10日には、ジョージがビートルズ脱退を宣言する事態にまで発展してしまいます(その場面は映画ではカットされてるそうです)。

説得されたジョージは最終的に戻ってきますが、トゥイッケナムの環境が悪すぎるということで、ここでの撮影は1週間少々で打ち切られました。

2. アップル本社内のスタジオ

1969年1月22日からセッションの場所をロンドンのサヴィル・ロウという所にあるアップル・コア(=ビートルズが設立した会社。MacやiPhoneの「アップル」とは別会社ですよ)の本社ビル内スタジオに移動。1月31日までここで撮影されています。

アップル本社でセッションを再開するにあたり、ジョージはゲスト・ミュージシャンとしてキーボード奏者のビリー・プレストンを招き、ゲスト参加によりビートルズの4人もリラックスできたことで、映像での表情も温和なものが増えてきます。

「ホワイトアルバム」の時にエリック・クラプトンをゲストとして招いた時も同じだったが、ゲスト・ミュージシャンが来ると僕たちはケンカなどせず、おとなしく紳士的になるんだよ、イヤな奴らだと思われたくないからね、とジョンだったかジョージだったか忘れましたが後にコメントで振り返ってます。

3. ルーフトップ・コンサート

1969年1月30日、ポールの発案により実現したビートルズの4人による最後のライヴ映像。「ルーフトップ・セッション」と呼ぶこともあります。

アップル本社ビル屋上で何の予告もなく始まった伝説のゲリラライヴで、大音量の演奏と歌声を聴いたロンドン市民がアップル本社ビル周辺に群がり始め、ライヴを歓迎する人もいれば眉をひそめる人もいるなど、騒然となります。

最後は警察が介入して屋上ライヴの中止を要請したことで終了。ここで映画も終了します。

以上3つの場所が解説中にも登場しますので、「トゥイッケナム」「アップル本社」「ルーフトップ」という言葉が出てきたら、上記3つの場所のことを書いてるという事になります。

それでは、全12曲を1つずつ解説していきます。

1. トゥー・オブ・アス(Two Of Us)

曲の最初、いきなりジョンの発言から始まります。

“I Dig A Pygmy” by Charles Hawtrey and the Deaf Aids. Phase One, in which Doris gets her oats.
(チャールズ・ホートゥリーとデフ・エイズによる「I Dig A Pygmy」、第1部「ドリスは男漁りが好き」でした)

「I Dig A Pygmy」とは、アルバム2曲目「Dig A Pony」のこと。「Two Of Us」の演奏前に話しているのではなく、というか全然関係がなく、1月24日にアップル・スタジオで「Dig A Pony」をリハーサル中に発したジョークだそうです。

バンドのリーダー1名とバンド名を繋げてユニット名にするミュージシャン、たとえば「ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース」とか「内山田洋とクールファイブ」とかが有名ですが、ジョンは「チャールズ・ホートゥリー&デフ・エイズというバンドがI Dig A Pygmyを演奏した」と、自分の歌を架空のバンドが演奏したと設定。

チャールズ・ホートゥリーとはイギリスのコメディー俳優で、身長が低く、ガリガリに痩せ、声は甲高い人だったそうです。さらにデフ・エイズとは補聴器のことですが、ジョンは聴覚障害者のことを揶揄する意図でバンド名をデフ・エイズとしています。

ジョンは外見的に不格好な人や、身体的障害を持つ人を揶揄するという悪癖があり(つい言ってしまう、と本人も認めています)、チャールズ・ホートゥリーの外見をからかう流れでデフ・エイズと続け、スタッフらしき人がアッハッハと笑ってしまってます。

その後、「第1部(Phase One)」と続けることで、「I Dig A Pygmy」は組曲であり、その第1部として「Doris gets her oats」という曲を演奏しました、と説明。

「gets her oats」は、若者が結婚前に複数の異性と遊び回るという意味の「sow one’s oats」のもじりで、バンド名も曲名も聞く人によっては顔をしかめてしまいそうな、要するにブラックジョーク。

実際、このジョークをジョンが発した直後、リンゴが「口は災いのもとだよ」とジョンをたしなめているそうです。

曲の「Two Of Us」自体は牧歌的なフォークソングで、ポールとジョンが最初から最後までハモってます。

曲のエンディング、3分07秒からポールのアドリブ台詞。

We’re going home. Better believe it. Goodbye.
(僕たちは家に帰る。信じてもいいよ。グッバイ)

曲の歌詞に沿ったアドリブですね。横ではジョンがアドリブで口笛を吹いてます。

2. ディグ・ア・ポニー(Dig A Pony)

ルーフトップで演奏したライヴ音源。演奏が始まるまで7秒ほどの間があり、小さい音量で会話が聞こえます。

Allright? Yeah, OK.
(いいかい? うん、オーケー)

前の曲が終わって少しの休憩に入り、次の曲(=Dig A Pony)に行ってもいいかを確認してます。誰の声なのかは不明。これを受けて、

1, 2, 3, Hold it.
(ワン、ツー、スリー、ちょっと待って)

出だしのカウントを取ってるのはジョージ。ここで休憩中にタバコを吸ってたリンゴが火を消しておらず、「ちょっと待って!」とストップをかけたため、ジョン&ポール&ジョージが最初の音をジャンと弾いた直後に一旦中断。

Ah, Hold it. 1, 2, 3
(ううぅ……待ってか。ワン、ツー、スリー)

クシュクシュと鼻をススる音の後、うう〜と寒さに震えてるのはジョン。その直後、「寒いんだからサッサとやろうよ…」みたいな感じでリンゴの「ちょっと待って」を復唱してるのもジョン。

真冬の1月末にビルの屋上。しかも気温は2度。あまりの寒さにジョンとジョージは奥さん(=ヨーコ&パティ)の毛皮コートを貸してもらい、それを着ながら演奏してます。

その後、再びジョージがカウントを数えてから演奏開始。

演奏終了後(=3分45秒から)、再びジョンが寒くて愚痴ってます。

Thank you brothers. Put me hands getting too cold to play the chords.
(みんなありがとう。手が寒すぎてコードが弾けないよ)

この曲の元々のアレンジは、イントロ直後の歌い出しとエンディングの最後に、サビでも歌ってる「All I want is」というフレーズが入っており、ルーフトップのライヴでも「All I want is」と歌ってます。

しかしアルバム収録バージョンではフィル・スペクターが不要と判断したのか、イントロとエンディングの「All I want is」はカット。本来の「All I want is」込みのバージョンは「アンソロジー 3」に収録されてます。

Dig a Pony
アーティスト:ビートルズ
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3. アクロス・ザ・ユニヴァース(Across The Universe)

アルバム「レット・イット・ビー」のリリースよりも前の1969年12月、世界野生動物基金のためのチャリティーアルバムに収録されたのがオリジナル。このバージョンは「パスト・マスターズ」に収録されています。

「レット・イット・ビー」バージョンも同じトラックなのですが、フィル・スペクターがいろいろと加工し直してます。

先行リリースした「パスト・マスターズ」バージョンとの違いは、

◆イントロにある鳥のはばたき音
→ カットされた

◆サビではジョンの歌に続き、ポール&ジョージ、そして「たまたま見物に来てたファンの女の子」のコーラスが入ってる
→ カットされ、別のコーラスとオーケストラをオーバーダビングした

◆ワウワウ・ギターが所々でホワンホワンと鳴り響いてる
→ カットされた

◆エンディングでジョンの歌にポールがコーラスをつけてハモってる
→ ポールのコーラスのみカットされた

というアレンジがフィル・スペクターによって施され、さらに曲全体の回転数を落として録音されてます。このため「レット・イット・ビー」バージョンでジョンの声は少し低く、けだるい歌い方のように聞こえます。

4. アイ・ミー・マイン(I Me Mine)

いつも「僕が、僕が、僕がね」と自分中心なポールへの当てつけでジョージが作ったと言われてる曲ですが、本当のところはどうなんだろ。

曲の途中で演奏とボーカルの激しくなるパートはポールが付け足したとも言われてます。

5. ディグ・イット(Dig It)

元々は12分25秒もの長尺を、フィル・スペクターが0分50秒という長さにバッサリ斬り捨てたバージョン。

曲の最後、フェードアウトしていくところ(0分43秒)でジョンが高い裏声でアドリブを喋ってます。

That was “Can You Dig It” by Georgie Wood. And now we’d like to do “Hark The Angels Come”.
(今のはジョージィ・ウッドの『Can You Dig It』でした。次は『Hark The Angels Come』を歌います)

このアドリブが録音された時点(1969年1月24日)では、曲名が「Dig It」ではなく「Can You Dig It」だったため、ジョンは正しく曲名を告げてます。ジョージィ・ウッドはイギリスの小人コメディアン。

「Hark The Angels Come」は、正式名称が「Hark The Herald Angels Sing」というキリスト生誕を祝うクリスマスソングで、子供がよく歌う曲なのだそうです。ジョンが裏声を使い子供っぽい喋り方にしてるのはそのため。

次に続く「Let It Be」が賛美歌にも似た美しい歌詞とメロディなのもあり、ジョンがポールの名曲にエールを送る形となってます。

6. レット・イット・ビー(Let It Be)

アップル・スタジオで録音されたもの。アルバム収録バージョンとシングルのバージョンでは間奏でジョージが弾いてるギターのフレーズが異なります。シングルバージョンは「パスト・マスターズ」に収録されてます。

Let It Be
アーティスト:ビートルズ
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また、映画「レット・イット・ビー」で流れるこの曲の演奏シーンは、アルバムバージョン、シングルバージョンのどちらとも違うまた別のバージョンで、間奏でのジョージのギターソロもこれまた違います。

さらに映画の中では、ポールが当初作った「There will be no sorrow」という歌詞で歌ってますが、アルバム・シングルの両バージョンとも、「There will be an answer」に変更されてます。

なお、この演奏シーンはDVD「アンソロジー」に収録されてます。

7. マギー・メイ(Maggie Mae)

ビートルズのオリジナルではなく、イギリスのトラディショナル・ソング。ジョンとポールがハモりながら歌ってます。

ビートルズ4人の出身地であるリバプールなまりで意図的に歌ってるそうで、0分26秒の「リバプール(Liverpool)」は発音が「りばぺうぅー」となってます。英語のナマリは正直よぐ分がんね。

8. アイヴ・ガッタ・フィーリング(I’ve Got A Feeling)

ルーフトップで演奏したライヴ音源。気温2度の寒空の下、よくこれだけのクオリティーで演奏できるなあと感嘆させられます。

しかし寒さに弱いジョン、やっぱりエンディングで愚痴ってます。3分29秒から。

Oh my soul, so hard.
(参った。キツイ)

9. ワン・アフター・909(One After 909)

ビートルズがメジャーデビューする前にジョンとポールが作っていたオリジナルで、当初のバージョンは「アンソロジー 1」に収録されてます。

また「アンソロジー 1」には失敗テイクも収録されており、ポールがベースをミスって演奏を止め、ジョンが「なにやってんだ」と怒り、ポールが釈明してる会話も録音されてます。なかなか笑えます。

アルバム「レット・イット・ビー」収録バージョンはルーフトップで演奏したライヴ音源なのですが、0分32秒のところでジョンがアドリブ気味に叫んでる

Yes I did.
(ホントだぜ)

というフレーズがアルバム収録バージョンではほとんど聞き取れません。しっかり聞き取れるバージョンは「レット・イット・ビー、ネイキッド」に収録されてます。

One After 909
アーティスト:ビートルズ
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ネイキッドのバージョンは別テイクだとする説もありますが、アルバム収録バージョンをよ〜〜く聴いてみると、小さく「Yes I did」と聞こえます。なので同じテイク説(=フィル・スペクターがカットした)に1票。

アルバム収録バージョンに話を戻しますが、曲のエンディング後、2分43秒からジョンがアドリブで歌を歌い始め、ポールも呼応します。

Oh Danny boy, the alter man is calling.
(おおダニー坊や、侍者が呼んでるよ)

この曲はイギリスのトラディショナル・ソング「ロンドンデリーの歌」または「ダニー・ボーイ」という名の曲で、ジョンは替え歌にしてふざけてます。

本来の歌詞は「Oh Danny boy, the pipes the pipes are calling(おおダニー坊や、角笛が呼んでるよ)」で、ジョンに呼応したポールは本来の正しい歌詞で歌ってます。なので二人の歌は途中で噛み合ってません。

10. ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード(The Long and Winding Road)

1969年1月31日に録音したものがオリジナルで、曲を作ったポール本人はシンプルなアレンジにしたかったのに、フィル・スペクターが壮大なオーケストラ・アレンジをオーバーダビングし、ジョンたち3人は大絶賛したものの、ポール本人は曲を壊されたと大激怒した1曲。

そのあたりの話は、

catch2014122001


上記エントリーの真ん中付近、ポール・マッカートニー&ウイングス 『ロックショウ』の項でも触れてます。興味のある方はどうぞ。

11. フォー・ユー・ブルー(For You Blue)

曲のテイクはアップル・スタジオで録音したものですが、イントロでギター演奏が始まる直前にジョンが何やら語ってる部分のみ、トゥイッケナムでのリハーサル音源のものを重ねているそうです。

Queen says ‘No’ pot-smoking FBI members.
(女王はFBIのメンバーがマ●ファ●をやるのは「ダメ」だと言ってるんだってさ)

セッションの合間の世間話ではないか、とのこと。内容が内容なので伏せ字にします。

間奏ではジョージがいろいろアドリブで言い続けてます。まず1分3秒と1分7秒のところ。

Bop. Bop cat bop.
(ボップ。ボップ・キャット・ボップ)

ボップとかキャットとかは、ブルースの曲でよく使われる合いの手なんだそうです。沖縄民謡における「イーヤーサーサー」みたいな感じかな? 違うか?

続く1分10秒では、スライドギターを弾いてるジョンにジョージがエールを送る。

Go Johnny go.
(いけ〜、ジョニーいけ〜)

チャック・ベリーの大ヒット曲「Johnny B. Goode」のサビで登場する歌詞を使ってます。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で主人公がギター弾きながら熱唱してたアレです。

1分17秒では

There go the twelve bars blues.
(12小節のブルースだよ)

さらに1分31秒ではデカイ声で

Elmore James got nothin’ on this, baby.
(エルモア・ジェイムスのパクリじゃないよ)

エルモア・ジェイムスはアメリカのブルース・シンガーで、スライドギターの演奏を多用してたんだそうです。

ジョンが頑張ってスライドギターを弾いてる横で「スライドギターだけどパクリじゃないよ」とジョージが冗談を言い、自分でおかしくなっちゃって最後に笑ってしまい、それに釣られてポールもブフフと笑っています。

12. ゲット・バック(Get Back)

この曲もバージョンがいろいろ誤解されてるのですが、アルバム「レット・イット・ビー」収録バージョンは、いろんなところの音源を重ね合わせた複雑なバージョンで、ルーフトップのバージョンをそのまんま使ってるわけではありません。

まずイントロ前のアドリブ箇所。ここはアップル・スタジオで1月27日に録音されたテイクから持ってきたもの。ルーフトップでの雑談ではありません。

最初、0分03秒で

Rosetta.
(ロゼッタ…)

と呟いてるのはポール。続いてジョンが「ゲット・バック」のデタラメな替え歌を歌い始めます。

Sweet Loretta Fart she thought she was a cleaner, but she was a frying pan.
(かわいいロレッタ・ファートは自分を掃除機だと思ってたけど、フライパンだった)

「ファート」とはオナラのことだそうです。さすがジョン、安定した下品さ。

この替え歌の途中(0分07秒)でポールもジョンに釣られたか、

Sweet Rosetta Mark.
(かわいいロゼッタ・マーク)

と声をかぶせ、本来の「ロゼッタ・マーティン」から「ロゼッタ・マーク」に、曲を作った本人が改名してしまいます。

その後はジョンの呟き。

The picker! Picture the finger, Greg.
(ピックをくれ! 指がこのザマだよグレッグ)

グレッグってのはスタッフなんでしょうね。誰なのかは知りません。

最後に「1, 2, 3, 4」とカウントしてるのはジョージ。ここまでが1月27日録音パート。

イントロが始まってからはシングル盤のバージョンと似てるのですが、別テイクなんだそうです(私は完全に同じテイクだと思ってました)。エンディングが長く、ポールのアドリブが炸裂しているシングルバージョンは「パスト・マスターズ」に収録されています。

Get Back
アーティスト:ビートルズ
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曲のパートはアップル・スタジオで録音されたテイク。曲が終わった2分55秒から後はルーフトップの音源を持ってきています。

まず2分55秒で拍手しながら「イエーイ」と歓声をあげてる女性はモーリーン(当時のリンゴの奥さん)。それに対してポールがお礼。

Thanks Mo.
(ありがとう、モー)

モーって愛称だったんですね。そして、このポールのお礼に重なりながら、

I’d like to say “Thank you” on behalf of the group and ourselves and I hope we passed the audition.
(我々グループ全員を代表してお礼を申し上げます。オーディションに合格してるといいんですけど)

ジョンが有名な台詞を述べてスタッフたちが爆笑し、曲もアルバムも、そして映画も終了します。

ルーフトップでは合計2回「ゲット・バック」を演奏していますが、大音量による騒音を苦にした近隣住民からのクレーム通報により、ビル屋上にやって来た警察官が演奏中止を要請します。

2回目の「ゲット・バック」を演奏し始めた矢先、音量を下げるよう警察官に命じられたスタッフのマル・エヴァンスがジョンとジョージのギターアンプ電源を落とすのですが、ポール、リンゴ、そしてキーボードのビリー・プレストンは無視して演奏を続行。

演奏続行を見てジョージが自らアンプ電源を入れ直し、これを見てマルもジョンのアンプ電源をオン。再び演奏再開し、歌い終わってからの「オーディションに合格してればいいな」という流れになります。

これら一連の音源は「アンソロジー 3」に収録されています。途中でギターの演奏が消え、異変を察知したポールも一瞬歌うのを止め、すぐ再開するのが分かります。また曲の最初でジョンがギターの演奏を豪快にミスってます。

Get Back
アーティスト:ビートルズ
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りくま ( @Rikuma_ )的まとめ

以上がアルバム「レット・イット・ビー」に収録された楽曲、及びアドリブや雑談などの翻訳内容解説となります。

映画「レット・イット・ビー」は1970年の劇場公開から今年で45年。DVDリリースをファンは長年待ち望んでいるのですが、なかなか実現しません。

ビートルズ解散に至るメンバー間の確執などが浮き彫りになった映像集であり、口論シーンもあることから特にジョージが商品化を嫌がっていたのだそうです。

昔々、私が大学生だった頃によく通ってたレンタルビデオ屋さんに「レット・イット・ビー」のビデオが置かれていました。

もちろんそれは海賊版。そういうのは借りちゃダメ!と自分に言い聞かせてたのですが、それでもやっぱり見たい!という自らのファン心理に負けてしまい、1ヶ月後に意を決して借りに行ったら店が潰れてました

ビートルズの映像関連は大半を見ているはずの私ですが、映画「レット・イット・ビー」は残念ながら最初から最後まで通して見たことが1回もありません。私が64歳になる前にDVDリリースされればいいんですけどね。

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