北九州市小倉北区の中心部を流れる紫川(むらさきがわ)には、合計10個の個性的な橋が架かっており、それら10個の橋を総称して「紫川十橋」と呼びます。
今回は紫川十橋のひとつ、鷗外橋(愛称は「水鳥の橋」)について写真と共に詳しく解説します。
なお、紫川十橋のすべてをまとめたページも作成しています。紫川十橋が誕生した由来や各橋の解説などを掲載していますので、よろしければそちらもご覧ください。
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紫川十橋:北九州市小倉北区、紫川に架かる10個の個性的な橋
北九州市小倉北区の中央を流れる紫川には10個の個性的な橋が架けられており「紫川十橋」と呼ばれています。10個すべての橋を徒歩で巡り撮影してきた写真と共に、各橋の周辺にある観光スポット情報も交えて紹介します。
橋の名称は森鷗外からいただいている
「水鳥の橋」の愛称を持つ鷗外橋は、平成12年(2000年)3月に完成した、歩行者専用の橋です。
「鷗外橋」「水鳥の橋」という名前の由来は、
- 小倉にゆかりのある文豪・森鷗外
- 市民に親しまれてきた「鴎」の彫刻
- 紫川がキレイになったことで戻ってきた水鳥たち
この3つの要素を組み合わせたのだそうです。
なお、森鷗外の名前を異体字で「森鴎外」と書いたりもしますが、今回の記事では森鷗外で通します。
冬季はイルミネーションで彩られる
鷗外橋は、冬季になるとイルミネーションでキレイに彩られることでも有名です。
東西両方の端にはイルミネーションのトンネルが設置されています。
鷗外橋の中央部は広場のようになっており、周囲の景色を見渡せる展望台の役目も果たしています。
中央部にある「KOKURA」のオブジェも、イルミネーションの期間中はカラフルな光線で照らされます。
2023年度の小倉イルミネーションは、2023年11月2日(木) 〜 2024年02月14日(水)の期間で開催されました。
鷗外橋、周辺の風景
鷗外橋・東側の風景
鷗外橋の東側は、目の前に北九州市の老舗百貨店「小倉井筒屋」本館と新館が並んで建っています。
本館と新館の間にある通路では、西島秀俊が主演した連続ドラマ版『MOZU』の市街地爆破シーンが撮影されたことで有名になりました。
鷗外橋の東側には、北九州市水環境館の入口があります。入口は勝山橋の東側(勝山橋東交差点の角)にもあります。
鷗外橋・西側の風景
鷗外橋の西側は、目の前に小倉城庭園、その奥には小倉城の天守閣がチラッとだけ見えています。
鷗外橋の西端から小倉城天守閣までは徒歩で2分ほど。近いです。
鷗外橋の西側を渡り終えてすぐの一角に「森鷗外文学碑」という記念碑があります。
森鷗外文学碑は六角形の碑で、各面には森鷗外の作品から引用された文章が刻まれています。
上の写真、右側の面には「常磐橋(木の橋)」でも紹介した鷗外の常磐橋広告塔に関する一節が紹介されています。
常磐橋の袂に円い柱が立ってゐる
引用:『独身』より
これに廣告(こうこく)を貼り附けるのである
上の写真、右側には「小倉日記」、左側には「鶏」から引用された一節が紹介されています。
翌日も雨が降ってゐる
引用:『鶏』より
鍛冶町に借家があるといふのを見に行く
軍医だった鷗外は、明治32年(1899年)6月19日から1902年(明治35年)3月26日までの約3年を小倉で過ごしています。
小倉滞在の前半は現在の小倉北区鍛冶町で、後半は小倉北区京町でそれぞれ生活していたという記録があります。
小倉北区鍛冶町には鷗外の住んだ住居が現在も残っており、「森鷗外旧居」という観光スポットになっています。
小倉北区京町にあった住居周辺は、JR小倉駅の再開発によりロータリーとなったため、旧居は残っていません。
その代わり、小倉駅南口(小倉城口)の商店街に近いエスカレーター横に「森鷗外京町住居跡碑」という碑が建てられています。
鷗外橋・北側の風景
鷗外橋の北側は、中央に紫川十橋のひとつ、勝山橋(石の橋)が見えます。
写真左手は大型商業施設「リバーウォーク北九州」の東端で、茶色の建物にはNHK北九州放送局が入居しています。
写真右手は小倉井筒屋の本館。川面には水上ステージも見えています。地下には「北九州市水環境館」があり、紫川に関する各種資料や、紫川の川底を見物することができます。
鷗外橋・南側の風景
鷗外橋の南側は、中央に紫川十橋のひとつ、「中の橋(太陽の橋)」が見えます。
写真左手に見える背の高いビルは、地上28階建ての分譲マンション、小倉タワー。
写真右手に見える四角いビルは北九州市役所。
市役所の手前には、2018年7月にオープンした「コメダ珈琲店 北九州勝山公園店」が見えています。