紫川十橋の散策記その5:水鳥の橋(鷗外橋)【北九州市小倉北区】

2023年2月14日

「紫川十橋」について

北九州市小倉北区の中心部を流れる二級河川「紫川(むらさきがわ)」。

1990年に「紫川マイタウン・マイリバー整備事業」というプロジェクトが開始され、個性的な10個の橋が架かりました。これらを総称して「紫川十橋」と呼びます。

今回、この10個の橋をすべて散策してきました。

端から端まで歩くと片道約2kmほど。橋を渡るなどして寄り道しても、3kmほど歩けばすべて踏破できます。

森鷗外にちなんで名付けられた鷗外橋

水鳥の橋(鷗外橋)の全景
水鳥の橋(鷗外橋)の全景

水鳥の橋」と名付けられた鷗外橋は、平成12年(2000年)3月に完成した、歩行者専用の橋です。

小倉城庭園側から見た鷗外橋
小倉城庭園側から見た鷗外橋

水鳥の橋・鷗外橋という名前の由来は、

  • 小倉にゆかりのある文豪・森鷗外
  • 市民に親しまれてきた「鴎」の彫刻
  • 紫川がキレイになったことで戻ってきた水鳥たち

この3つの要素を組み合わせたのだそうです。

ちなみに、森鷗外の名前を異体字で「森鴎外」と書いたりもしますが、今回の記事では森鷗外で通します。

冬季はイルミネーションで彩られる

小倉イルミネーションのトンネル装飾
小倉イルミネーションのトンネル装飾

鷗外橋は、冬季になるとイルミネーションでキレイに彩られることでも有名です。

東西両方の端にはイルミネーションのトンネルが設置されています。

とても広い鷗外橋の中央部
とても広い鷗外橋の中央部

鷗外橋の中央部は広場のようになっており、周囲の景色を見渡せる展望台の役目も果たしています。

橋の中央部にある「KOKURA」のオブジェ
橋の中央部にある「KOKURA」のオブジェ

中央部にある「KOKURA」のオブジェも、イルミネーションの期間中はカラフルな光線で照らされるのだそうです。

今季の「小倉イルミネーション2022」は2022年11月4日から2023年2月14日まで開催されています。クリスマスのシーズンからバレンタインデーまでということですね。

点灯時間は夕方17時から夜の22時まで。

鷗外橋周辺の風景

鷗外橋の東側、小倉井筒屋
鷗外橋の東側、目の前は小倉井筒屋

鷗外橋の東側は、目の前に北九州市の老舗百貨店「小倉井筒屋」本館と新館が並んで建っています。

井筒屋本館と新館の間にある通路では、西島秀俊が主演した連続ドラマ版『MOZU』の市街地爆破シーンが撮影されたことで有名になりました。

出演:西島秀俊, 香川照之, 真木よう子, 生瀬勝久, 吉田鋼太郎, 伊藤淳史, 有村架純, 池松壮亮, 長谷川博己, 石田ゆり子, 小日向文世
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北九州市水環境館の入口

鷗外橋の東側には、北九州市水環境館の入口があります。入口は勝山橋の東側(勝山橋東交差点の角)にもあります。

鷗外橋の西側、小倉城庭園
鷗外橋の西側、小倉城庭園

鷗外橋の西側は、目の前に小倉城庭園、その奥には小倉城の天守閣がチラッとだけ見えています。

小倉城天守閣と森鷗外文学碑
小倉城天守閣と森鷗外文学碑

木々に邪魔されて小倉城天守閣が見えなかったので、もう少し接近して写真を撮ったのですが、それよりも手前にある立方体のオブジェが気になりました。

初めて見たので正体が分からず調べてみたところ、「森鷗外文学碑」という記念碑でした。

森鷗外文学碑
六角形の森鷗外文学碑

森鷗外文学碑は六角形の小さな柱で、各面には森鷗外の作品から引用された文章が刻まれていました。

上の写真、右側の面には「木の橋(常磐橋)」でも紹介した鷗外の常磐橋広告塔に関する一節が紹介されています。

常磐橋の袂に円い柱が立ってゐる
これに廣告(こうこく)を貼り附けるのである

引用:『独身』より
小説「鶏」から引用された一節
「小倉日記」「鶏」から引用された一節

上の写真、右側には「小倉日記」、左側には「鶏」から引用された一節が紹介されています。

翌日も雨が降ってゐる
鍛冶町に借家があるといふのを見に行く

引用:『鶏』より

軍医だった鷗外は、明治32年(1899年)6月19日から1902年(明治35年)3月26日までの約3年を小倉で過ごしています。

このうち、最初は現在の小倉北区鍛冶町で約1年半、そのあとに小倉北区京町で残りの約1年半を過ごしたという記録があります。

最初に過ごした鍛冶町の住居は現在も史跡として小倉北区に残っています。このブログでも2013年にウォーキング大会で初訪問した時の様子を記事にしています。

2013年10月、小倉北区の散策記
森鴎外旧居、小倉総合車両センター「JR工場まつり」を初訪問

2013年10月20日、北九州市小倉北区を歩いてきました。(JR小倉駅→森鴎外旧居→紫川→小倉総合車両センター→小倉城→小倉駅)

また、京町の自宅があった辺りには現在「森鴎外京町住居跡碑」という記念碑があります。

森鷗外京町住居跡碑

せっかくなので別日に現地まで足を運び、記念碑を撮ってきました。

JR小倉駅南口、エスカレーターのすぐ脇にある

場所はJR小倉駅南口にあるエスカレーターのすぐ脇。

ここに鷗外の住居があった訳ではなく、元々は京町に住居があったことを記念して、JR小倉駅南口のロータリーに記念碑が建立されたそうなのですが、小倉駅南口の再開発により現在の場所に移動されたのだそうです。

有名なパン屋さん「シロヤ」のすぐ前

記念碑のすぐ前には、小倉駅南口のマクドナルド、さらにはテレビで何度も取り上げられている有名なパン屋さん「シロヤ」があります。

閑話休題。鷗外橋の話に戻ります。

鷗外橋の北側、中央は石の橋
鷗外橋の北側、中央は石の橋

鷗外橋の北側は、中央に石の橋(勝山橋)が見えます。

勝山橋の左手はNHK北九州放送局。リバーウォーク北九州の西端に位置します。

右手は小倉井筒屋本館。川面には水上ステージも見えています。

鷗外橋の南側、右手は北九州市役所
鷗外橋の南側、右手は北九州市役所

鷗外橋の南側は、中央に「太陽の橋(中の橋)」が見えています。その右手に見える四角いビルは北九州市役所

市役所の手前には、2018年7月にオープンした「コメダ珈琲店 北九州勝山公園店」が見えています。

太陽の橋の左手に見える背の高いビルは、地上28階建ての分譲マンション、小倉タワー。

小倉城天守閣とリバーウォーク
小倉城天守閣とリバーウォーク北九州

せっかく近くまで来たのに中途半端な写真だけで終わるのがもったいなかったので、小倉城天守閣に寄り道してきました。

小倉城天守閣
小倉城天守閣

私は鳥取県米子市の出身なのですが、かつて米子市には「米子城」という名城があったそうです。残念ながら明治初期に取り壊されてしまい、現在は城址(城山)だけが残っています。

島根県松江市で浪人時代を過ごした1年間にほぼ毎日、松江城へ通っていたくらいの城好きなので、自分の住む街・北九州に天守閣があるというのはとても嬉しく、そして誇らしいことなのです。

「紫川十橋」散策シリーズ

月の橋・宝来橋
紫川十橋の散策記その10:月の橋(宝来橋)【北九州市小倉北区】
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紫川十橋の散策記その9:音の橋(豊後橋)【北九州市小倉北区】
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紫川十橋の散策記その7:鉄の橋(紫川橋)【北九州市小倉北区】
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