折尾駅周辺の鹿児島本線は高架化工事が進んでいる
2021年ウォーキング大会の初戦。今回のスタート地点はJR折尾駅の鷹見口。
鷹見口の前に広がっている茶色の土は、オリオンプラザの跡地。この一帯の変遷は別記事にまとめている。
JR折尾駅の新駅舎が遂に出現、東口と西口の閉鎖も決まる(2020年12月)
2012年に開始されたJR折尾駅の再開発工事。着工から8年が経過して工期もいよいよ最終盤となっており、新駅舎のお披露目は2021年1月2日と発表されました。
鷹見口を出発し、高架下の暫定連絡路を抜けて北口の側に出る。北口と旧東口を繋ぐ連絡路は、ここ数年ほとんど風景としては変わらない。現在も工事中のままで、車が走行する道路も狭いままである。
駅北口から進路を東へ。現在大規模工事がおこなわれている国道199号線よりも1本南側の、新々堀川に沿った道路を歩く。
道幅が狭く、歩行者専用道だと思いがちだが、ここは車も通る。勘違いして歩いてると轢かれそうになるので注意。
中間市、遠賀郡水巻町を経て八幡西区へと流れる新々堀川(しんしんほりかわ)。
人工的に作られた河川で、筑豊地区の石炭産業が全盛だった頃には石炭輸送用の運河として利用されていた。折尾駅東口の飲食店街前を流れているのもこの川である。
JR鹿児島本線は再開発により高架化したが、まだ完全に工事が完了したわけではないらしい。以前は踏切を通って往来できていた車道の一部は通行止めになっている。上の写真に映っている辺りは車道が完全に封鎖されているが、歩行者は往来できる。
こちら、中須2丁目の踏切は全面通行止めとなっていた。車だけでなく歩行者も通れなくなったらしい。
金山川の桜は散っていた、1週間遅かった
新々堀川からいったん離れ、ヤマダ電機の裏手を直進すると、今度は金山川(きんざんがわ)沿いに出る。見事な桜並木が連なっている…のだが、色がピンクじゃなくて緑だ。
実に見事な桜並木なのだけど、散ってしまっている…。
約1週間前、北九州地方は桜が満開になった。やっと見頃になり、桜の美しさを愛でるタイミングになった途端、豪雨に見舞われてしまい、咲いたばかりの桜は無残にも吹き飛ばされてしまった。
やっと満開になったと思ったのに、わずか1〜2日ほどの美しさだった。なんという儚さ。
以前ここを歩いた記憶がないので、今回が初訪問かもしれない。こんなにも見事な桜並木があったのか、と興味深かった。
1週間前、ここはどれほどキレイだっただろうか。惜しい。悔しい。
企業所有の貯水池。その中央、パッと見で4人組がボートの練習でもしてるのかと思ったら、
鳥が休憩してるだけだった。
しばらく金山川の北側に沿う遊歩道を歩いていたのだが、
「須原橋」という橋を渡って反対の南側に渡る。
おそらく「須原橋」という名前は、金山川を挟む両側の地名「中須」と「陣原(じんのはる)」から取ったんじゃなかろうか。たぶん。
余談だが、福岡県は「原」という字を「はる」と読ませる地名が実に多い。(例:原田=はるた、九郎原=くろうばる、新田原=しんでんばる)
「ゆめマート北九州」本社ビル周辺を歩く
その須原橋から一望できる金山川と桜並木の風景が実に良い。
桜が満開の時期に是非再訪したい場所である。
橋を渡り、金山川の南側河川敷遊歩道を進む。舗装はされていないが歩きやすい。
向こう岸に「ゆめマート北九州」の本社。こんなところに本社ビルがあるとは知らなかった。
「ゆめマート」は福岡を中心に大分や山口にもスーパーマーケットをチェーン展開している。母体は「ゆめタウン」と同じイズミなのでロゴデザインも同じである。
以前は「スーパー大栄」というブランド名だったが、2016年に「ゆめマート」へと変わっている。
ゆめマート本社の反対岸に案内板が立っていた。この辺りに昔は渡し場があったこと、お祭りがよく開催されていたこと、堀川の歴史などが解説されている。
国道199号線の片道2車線化に期待
今回のウォーキング大会で折り返し地点となる「本陣橋」。名前の由来は先ほどの案内板で解説されていた。川の両岸の地名「本城」と「陣原」から取られているそうだ。
本陣橋からさらに北東へと進むと洞海湾に着く。洞海湾とは戸畑区と若松区の間に広がる北九州市の内海。日本の歴史を学ぶ時に必ず教科書に載っていた北九州工業地帯は洞海湾に沿って発展している。
筑豊地方の石炭を始めとした産物は、洞海湾を経由して玄界灘(=日本海)へ、そして日本国内や海外へと輸送されていったのだな、昔はここを多くの船舶が往来してたんだろうなと、そんなことを想像しながら風景を眺める。
反対方向に目を向ける。ゆめマート本社ビルの辺りは2つの川の中洲になっていて、あそこで2つの川が合流するのだと分かる。左側が金山川で、右側が新々堀川。
その中洲、ゆめマート本社ビルのすぐ横にも案内板があった。堀川と金山川の歴史が解説されているのだが、最後のほうに興味深い一文あり。
金山川は上流の上上津役金山谷中腹に今も残っている金坑跡より出る水を源としています。
金山川の水源が上上津役(かみこうじゃく)にあるのも知らなかったし、それよりも何よりも、上上津役に金山があったのか!
だから川の名前に金山とついてるのか、とここでやっと気付く。たまたま金山って地名だったわけではないのか。何もかも知らなかった。
ゆめマート本社ビルから折尾駅方向へ、再び金山川の北側に延びる遊歩道をしばらく歩く。反対岸は舗装されていなかったが、こちらはキレイに舗装整備されている。
何度でも言うが、あと1週間、来るのが早ければ桜に感動できただろうに…。
折尾中学校前で金山川に別れを告げ、もう1つの新々堀川を渡って国道199号線に出る。
折尾駅周辺で大規模な拡張工事がおこなわれている国道199号線。しかしこの辺りは片道1車線のまま。今後工事がおこなわれそうな雰囲気もない。
折尾警察署前も変わらず。
「光明2丁目」交差点を過ぎ、ドラッグストアの前辺りから道路の拡張工事エリアとなっている。
折尾駅が旧駅舎だった頃、この道路は道幅も狭く、運行本数の多い鹿児島本線の踏切で頻繁に通行を妨げられ、さらに駅へと向かう路線バスも多数走っていたので、常に大渋滞していた。
たった数kmの道を進むのに、ひどい時になると1時間近く費やしたことすらある。折尾駅周辺に用事がある時も、この道路を車で走るのは極力避けた。大嫌いだった道路の1つである。
2007年に日本経済新聞が発表した、全国の駅を対象とする「訪ねる価値のある駅ベスト10」というランキング企画で、折尾駅の旧駅舎は7位に入っていた。(ちなみに1位は同じく北九州市の門司港駅だった)
その旧駅舎を解体し、折尾駅一帯を再開発するという計画は、当然ながら反対意見も結構あったらしい。街並みを根本から変えようという話なのだから、昔ながらの風情を壊したくない気持ちはとても分かる。
しかし、上にも書いたように渋滞が激しすぎて、ストレスも溜まりまくる道路事情だし、電車以外で気軽に折尾へ行こうという気にはならなかった。同じように考える人間が多ければ多いほど、折尾は来訪者を遠ざけ続け、衰退していくしかなかっただろう。
ノスタルジーは人生にとって貴重かつ有益なエキスである。自分自身にとっても必要不可欠なものだ。しかしそれだけでは生活が立ちゆかなくなることも無視はできない。
旧駅舎の解体後、折尾駅は長年の工期を経て今年ようやく再生し、駅前も再開発工事が進んでいる。
駅前の踏切は廃止されて線路が高架となり、道路の2車線化も始まった。完成すれば昔の大渋滞が嘘のように車は快適に往来できることだろう。
高校や大学が多数集結して学園都市と呼ばれるようにもなり、駅周辺は高層マンションも建ち始めた新生・折尾。かつて北九州第2の都市と称された八幡西区・黒崎エリアに光が見えない中、折尾は発展の右上がり曲線を描き始めたようにも思える。
願わくば道路工事がもうちょっと早く進行してくれないかなと。旧駅舎と同じで工期が長い。
クロワッサンの名店「三日月屋」が折尾駅内に遂にオープン!
折尾駅北口まで戻ってきた。ここの風景は相変わらず。
上の写真に映る北口の仮駅舎は現在機能していない。あとは解体を待つのみという状況。
新駅舎の改札口すぐ横にあるファミリーマート折尾駅店。そのすぐ横に、待望のあの店がオープンしていた。
若松区に本社がある、北九州市の代表的なパン屋さん「三日月屋」の折尾駅店が、2021年4月1日(木)にオープンした。
八幡西区の皆さんは若松まで行かなくても絶品クロワッサンや濃厚ソフトクリームを堪能することができるようになった。
前回折尾駅を紹介した記事で、三日月屋がオープンすると知って歓喜したあまり、先行オープンしていた唐揚げ屋さんの紹介が雑だったらしく、「あのお店もキチンと紹介してあげて!」と知人からクレームが来ていた。
三日月屋のすぐ隣り、「ポッポおじさんの塩からあげ」という店舗も折尾駅にはある。元々は大分県の店舗で、現在は福岡県と熊本県で店舗展開しているとのこと。
前述した知人に買ってきてもらって唐揚げを食べてみたのだが、すっごいウマかった(語彙力)
折尾駅に到着して、全長4.6kmのウォーキング大会は終了。
新駅舎は営業を開始したものの、折尾駅周辺の再開発は大半がまだ道半ば。工事がいつまで続くのかは不明だが、また駅舎の人気ランキングに入ってくるような、素敵な駅になることを祈っている。