小倉駅南口にある森鴎外京町住居跡碑
今回のスタート地点、JR小倉駅。
北九州市で最大の集客力を誇り、駅舎規模も最大。東海道・山陽新幹線の停車駅でもある。
直近の小倉北区散策では小倉駅の北口(新幹線口)を歩いた。今回は小倉駅の南口(小倉城口)を歩く。
そもそも小倉駅の北側は、私が北九州市に移住した1980年代終盤には何もなかった。ほんっとうに何もなかったのだ。
現在の北口に広がる建物・施設・公園の大半は当時存在せず、ただの埋め立て地でしかなかった。もっといえば江戸時代、今の小倉駅北口にあたる場所はすべて海だった。
昔からずっと続いている小倉の街を散策するという意味では、やはり小倉駅の南側のほうが適しているのだろう。とはいえ、南側も30年以上の年月を経てずいぶん風景が変わった。
商店街に繋がるエスカレーターのすぐ脇にある「森鴎外京町住居跡碑」。
軍医として小倉に赴任した森鴎外(鷗外)は、1899年(明治32年)から1902年(明治35年)まで小倉に滞在。
小倉滞在の前半は鍛冶町の住居で生活し、後半は石碑のある京町に住居があった、と案内板に記されている。
小倉駅の再開発により、旧住居の辺りはロータリーに変わってしまったが、記録としてこの石碑と案内板が設置されたとのこと。
シロヤ小倉店は改装工事のため休業中
「森鴎外京町住居跡碑」のすぐ前、商店街入口に位置するパン屋さん、「シロヤ小倉店」。抜群の知名度を誇り、県外からパンを買いに来る人もいるのだとか。
このシロヤ小倉店は、老朽化のため改装工事が始まっており、現在は休業されている(注:2023年11月現在)。
リニューアルオープンの具体的な日付は未定とのことだが、おそらく改装工事は1ヶ月前後の見込みと発表されている。
休業期間中は、小倉駅ビル内「アミュプラザ小倉」の1階に期間限定ショップがオープンしている。
魚町銀天街、京町銀天街と続く商店街を進む。
上の写真・左側に写るのは、お菓子の名店「湖月堂 本店」。1895年(明治28年)に創業された。
本店には300席を超える喫茶スペースもあり、何年か前にここでかき氷を食べたことがある。
いつだったか忘れたが、湖月堂本店は火災被害に遭い、店舗が全焼してしまった。同じ場所に再建され、今も昔と変わらぬ味を提供してくれている。
かつて路面電車が走っていた「旧電車通り」
国道199号線の「魚町」交差点。正面には1936年(昭和11年)にオープンした老舗百貨店「小倉井筒屋」が見えている。
現在は片道2車線の国道199号線だが、昔はここを路面電車が走っており、車は片道1車線で、しかも理不尽な一方通行になっていた。
1980年代終盤から1990年代前半の北九州市を知る同世代の方々であれば、この道路を初心者ドライバーが運転することがどれほど恐怖だったか、お分かりいただけるのではないだろうか。
一歩通行で狭い片道1車線の道路、しかも背後から路面電車が迫ってくるのだ。ド田舎の鳥取県で自動車免許を取得したばかりの自分にとって地獄でしかなく、滅多に来なかった。
紫川十橋のひとつ、勝山橋(通称:石の橋)を渡る。
正面に見えているのは大型商業施設「リバーウォーク北九州」。左側の茶色い建物にはNHK北九州放送局が入居しており、右側の黒っぽい建物には地図メーカー大手「ゼンリン」の本店とミュージアムが入居している。
リバーウォークの南側に「乃木希典居住宅跡碑」があった。そんなものがあると知らず、歩いていて偶然見つけ「おお!」と感動して写真を撮った。
1877年(明治10年)に西郷隆盛たち旧薩摩士族が起こした反乱「西南戦争」において、明治政府軍の指揮官の一人だった乃木希典は、戦場だった熊本に向けて出発するまで、このあたりに住んでいたらしい。
西南戦争には大変興味があり、まだ行ったことのない鹿児島県に旅行をすることがあれば、西南戦争にまつわる史跡を巡ってみたいと思っている。いつか叶えたい夢のひとつである。
城好きにとって、小倉城が存在してくれることは喜びである
リバーウォークのすぐ横にある「八坂神社」。鳥居の奥には東楼門がある。
早朝の八坂神社で参拝。
北九州市内で最も初詣参拝客の多い神社といわれている。
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正月三社参り・初詣客の多い北九州市内の有名神社9か所
福岡県北九州市で有名な神社を各区別に紹介しています。お正月の初詣・三社参りの参考にして頂ければ幸いです。
小倉城の天守閣。いつ見てもカッコイイ。
平成中村座 小倉城公演が開催中
小倉城の道路を挟んで反対側となる勝山公園には現在、「平成中村座 小倉城公演」の特設劇場が建てられている。
中村屋の中村勘九郎(六代目)、中村七之助(二代目)兄弟が中心となって催されている歌舞伎の公演。
北九州市で前回開催されたのはコロナ禍前の2019年だった。4年ぶりの開催で歌舞伎ファンは狂喜乱舞している。
2023年の「平成中村座 小倉城公演」は、11月1日(水)〜11月26日(日)の期間限定で開催されています。
「平成中村座 小倉城公演」の報道は福岡ローカルのニュース番組で何度も見た。
リハーサル風景が放送された際、ステージ上で一同が勢揃いして踊っている背景に小倉城天守閣が大きく写っており、これは素晴らしい、と感動した。
しかし実際に現地で眺めてみると、特設劇場から小倉城まではかなり距離があり、お城は小さくしか見えていない。
あれは撮影したものを拡大して写していたのだと判明した。そりゃそうだよな。
今年は北九州市の市制60周年記念
紫川十橋のひとつ、中の橋(通称:太陽の橋)。河川敷では釣りをしている人が数名。
小倉城庭園と鴎外橋の間にある「森鴎外文学碑」。鴎外が執筆した文芸作品のうち、小倉に関するものの一節が刻まれている。
紫川十橋のひとつ、鴎外橋(通称:水鳥の橋)。奥に見えるのは小倉井筒屋の本館(左側)と新館(右側)。
毎年11月から翌年2月にかけての期間、鴎外橋では「小倉イルミネーション」というイベントが開催され、夜間になると美しいイルミネーションで彩られる。
2023年度の小倉イルミネーションは、2023年11月2日(木) 〜 2024年02月14日(水)の期間で開催されました。
2023年は北九州市の市政60周年。6つの市が合併して北九州市が誕生してから60年になる。
NHKの「ブラタモリ」でも2週にわたって北九州市を特集してくれたし、2024年2月には「地球の歩き方」の北九州版が発売される。
30年以上続いているサンドイッチの名店・OCM
小倉井筒屋のすぐ近くにある「サンドイッチファクトリー・オーシーエム(OCM)」。いろんな味のサンドイッチを大ボリュームで楽しむことができる名店。
今から30年以上も昔になるが、交際を始めたばかりの恋人(現在の妻)とデートで何度か来たことがある。最近はうちの娘もよく行っているらしい。
商店街「魚町2番街」の入口。
2015年に公開され、稲村亜美の神スイングとして彼女を一躍有名にしたトヨタのネットCM、その最初のシーンは上の写真の位置で撮影されている。
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稲村亜美の神スイング!北九州の街で野球をするトヨタCMのロケ地紹介
トヨタ自動車のインターネットCM「G’s Baseball Party」が公開されています。オール北九州ロケとのことで、小倉の街で壮大な野球大会が繰り広げられる興奮の映像集となっています。
火災から復活した小倉昭和館
魚町銀天街を南下し、旦過市場へ入る。
2022年の4月と8月、2度にわたり大規模火災に見舞われた旦過市場。多くの店舗が焼失してしまい、甚大な損害が出た。
市場は少しずつ復興しているものの、まだ完全に以前の姿を取り戻したわけではない。火災の後、別の場所に移転した店舗、営業を辞めてしまわれた店舗もある。
1度目の火災(2022年4月)では難を逃れたものの、2度目の火災(2022年8月)で全焼してしまった老舗映画館「小倉昭和館」。
3代目館主の樋口さんは被災直後に「再建する余力はありません」と廃業を発表したものの、クラウドファンディングや寄附・義援金などの支援が集まり、再建を決意。
2023年4月から再建工事が始まり、上の写真のように新しい映画館がついに建った。2023年10月末には座席の設置が完了して報道陣に公開され、ニュースでも報じられていた。
12月に開催される「北九州国際映画祭」でのプレオープンを目指しているとのこと。
上の写真は「小倉昭和館の再建が決まった」というニュースを見てとても嬉しくなり、現地に行って撮影したもの。1つ前の写真と同じ場所から撮影している。
以前の映画館は解体されて更地となり、周囲には柵が設置されていたので中は覗けなかった。この2ヶ月後に再建工事が始まった。
鍛冶町にある森鷗外旧居
「平和通り」交差点。北九州モノレール・平和通駅のすぐ横にある。
以前は交差点に大きな歩道橋が架かっていたが、老朽化とバリアフリー対応のため2011年に撤去された。
モノレール駅から東の路地へ。鍛冶町の飲食店街を進む。
飲食店街を抜けたところにある「森鴎外旧居」。
森鴎外が小倉赴任中、前半に住んでいた住居がここ。後半の住居跡はJR小倉駅のすぐ前。この記事最初に書いたとおり。
中学生時代に見た小文字歩道橋
小文字通りの「堺町公園前」交差点。
小文字通りは劇場版『相棒』のロケで道路すべてを封鎖し、撮影したことで話題となった。
「紺屋町」交差点。ここには昔、「小文字歩道橋」という独特の形状をした立体歩道橋が架かっていた。
中学生だった14歳のとき、修学旅行で初めて九州を訪れた。小倉駅から熊本・阿蘇へと向かう観光バスに乗り、最初に目撃したのがここにあった小文字歩道橋だった。
当時住んでいた鳥取県では見たこともない風貌の歩道橋。北九州市って都会なんだなあと仰天したのを今でも覚えている。
小文字歩道橋は2015年10月にバリアフリー対応のため撤去されてしまったのだが、2013年12月に小倉北区を散策した際、その歩道橋を初めて歩いた。当時のブログ記事に写真を掲載している。
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2013年歩き納め、中学生の頃の記憶を懐かしむ小倉北区散策
小倉北区で所要を幾つかこなすついでに、久しく訪れることのなかった砂津・富野エリアを中心に小倉北区を散策してきました。
日本銀行の北九州支店。日銀が北九州にあるとは知らなかった。
公共交通1日無料デーのためチャチャタウンは大混雑
「日本銀行前」交差点で左折し、砂津川に沿った道を北へ進む。前方にチャチャタウンの赤い観覧車が見えている。
チャチャタウン小倉。西鉄が建てた商業施設で、多くの路線バスの始発・終点バス停も兼ねている。
この日は北九州市の公共交通1日無料デーだったこともあり、各方面のバス停は朝から大混雑。ものすごい長さのバス待ち行列ができていた。
国道199号線を西へ進んだ後、「小倉駅前」交差点で右折。前方にJR小倉駅が見えてくる。
右に見えている建物は「セントシティ」。1993年に「小倉そごう」として開業したが、母体である「そごう」の経営破綻により2000年12月に閉店。
その後の20数年は経営母体が幾度も変わり、オープンしては潰れ、名称も変わり続け、現在はセントシティとなっている。
北九州モノレールは当初、現在の平和通駅が終点(始発)の「小倉駅」で、JR小倉駅とは接続されていなかった。
1996年から延伸工事が開始され、1998年4月からモノレールはJR小倉駅の中に乗り入れるようになり、利便性は格段に向上した。
JR小倉駅に到着してウォーキング終了。歩行時間は1時間25分。歩行距離は5.25km。